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●東京国際女子マラソン、いい「失敗」をした高橋尚子選手
今日は東京国際女子マラソン。注目は何と言っても、シドニーオリンピックの女子マラソンで金メダルをとった高橋尚子選手の走り。一マラソンランナーのひとりとしては、この目で全部を見ないと気が済まない!と、いうことで、この日はコンサドーレ札幌の試合が札幌ドームで行われていたにもかかわらず、自宅でのテレビによるマラソン観戦をしていました(^^;。
前半は2時間20分を切ろうという意気込みが感じられる飛ばした走り。中間点は1時間10分03秒で通過。折り返し直後にピッタリ併走していたアレム選手(エチオピア)を突き放し、独走。しかし、30kmを過ぎて1kmごとのスプリットが3分30秒前後と落ち込み、36km過ぎの上り坂で完全にペースダウン。37〜38kmの1kmが4分04秒と4分台に。39km過ぎ、ついにアレム選手にトップを譲り、2位に。アレム選手はそのままトップでゴール。優勝タイムは2時間24分47秒。高橋選手はアレム選手に遅れること約2分半、2時間27分21秒の2位でゴール。これで事実上、この記録でのアテネ行きは不可能となりました(私が選考委員なら、今日の高橋選手の成績より、今年の世界陸上3位・千葉選手、4位・坂本選手の方が上と判断します)。
高橋選手のゴール後のコメントで「スタミナ切れ」と言ってましたが、本当にそういうことだと思います。マラソンは2時間以上走り続けるわけで、走ると腹が減るんですよ。フルマラソンの場合、ドリンクだけの補給はちとツライですね。ちょっとのバナナでもいいから、レース途中に栄養的補給が必要ですね。気温が低い大会の場合はまだなんとかなるけど、気温が高い大会の場合、走ると栄養がどんどん消耗されます。暑い夏に行われる北海道マラソンを7回走っている体験上、レース途中で栄養補給するように心掛けています。栄養補給をすると、走りが戻ります。だから、高橋選手がもし30km地点で栄養補給していれば、あそこまでの失速はなかったと思いますね。でも、逆にレース前に食べ過ぎても、消化し切れていない状態で走るとダメなので、レース前の食事ってすごく難しいですね。
高橋選手の残り2.195km(40km〜ゴール)は9分42秒と完全に「失速」。私が先月走った旭川マラソン(2時間58分59秒)のときの残り2.195kmが9分15秒ですから、高橋選手がゴール前でいかに息切れ状態だったか、わかるでしょう(^^;。
そのかわり、高橋選手の走りを見ていて、肉体的ダメージはあまりないと思います。体調さえ戻れば、絶対このあとの選考レースに出ることはできるでしょう。日程的には来年3月の名古屋の再チャレンジの可能性大と思いますが、大阪国際の結果次第とはいえ、大阪国際で日本人2位の選手が2時間23分以内の場合、名古屋に出場する選手は大阪2位の選手の記録を上回って「優勝」すれば、アテネ行きは事実上「当確」。つまり、目標が立てやすいとも言えます。今回の東京の場合、明らかに目標が「見えない」中、無理して2時間20分前後のタイムを狙って「自滅」してしまったわけです。目標が「見える」方がやりやすい、走りやすいと思うので、もし体調が戻って、本人がやる気になって、名古屋に出場となれば、今度は間違いなくいい走りができるでしょう。高橋選手はむしろ逆境に立たされた方がいい結果が出るので、期待していいと思いますよ(^^)。
小出監督は「調子いいときこそ、注意しないといけない」「むずかしい」とおっしゃってました。私も調子がいいときにとばした場合、後半失速してしまったことが何度もありました。高橋選手でも落とし穴にはまってしまうことがあるんですね。だからこそ、マラソンは奥が深い競技だと思いますね。
実はこのマラソン、第25回を記念して「市民マラソン大会」も行われ、女子は国際マラソンと同時スタート、男子は女子から遅れること15分後のスタートでした。知っていれば出ていたのですが(^^;。結果的には体調はカゼをひいてしまい、万全じゃない状況でしたし、当日の天気は高温・強風と最悪の状況。テレビ観戦で良かったかな(^^;;;。(2003.11.17提供)
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