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●高橋尚子選手、選考会再挑戦はきっとするでしょう
昨日の東京国際女子マラソンでアテネ五輪出場を決めることができなかった高橋尚子選手が記者会見で、五輪に出たい気持ちは持っているものの、このあとのことについて何をしようという気持ちになっていない、という内容のコメントをしました。一発勝負に挑んで失敗したあと、気持ちの切り替えをすぐにできるのは難しい話。さらに、高橋選手の場合、レースそのものの失敗は初マラソン以来で、レースでの「失敗慣れ」はしていないから、余計にすぐ「次のレース」という気持ちにならないのも当然でしょう。
そのかわり、このあと何もしないでアテネ行き断念ということも高橋選手の性格上、絶対ないな、という気はしますね。その証拠として、出ようと思えば1か月先、2か月先も可能という発言もしています。スポーツは、モチベーションも大切だと思うので、大阪国際女子の結果が出て、自然と高橋選手もやる気になると思いますね。
マラソンの場合「3つの勝負」があって、1つが「記録」との勝負、2つが「相手」との勝負、3つが「自分」との勝負。実はこの3つ全部に勝とうとすると、全部負けてしまうんですね。できればどれかひとつに絞って勝負しないと「勝てない」です。ま、実際にマラソンをやっているときには、どれも勝負したくなってしまうんですよ。しかし、全部に勝とうとしてしまうと、自滅して全部負けてしまう可能性大なんですね。
オリンピックの場合、記録はほとんど関係ないから、「相手」と「自分」がポイント。相手が苦しいと思えば、勝負に出るべきだし、自分がポイントなら、行けるときに勝負に出ればいい。
オリンピック選考レースの場合は「記録」と「相手」がポイント。「記録」を狙ってペース配分をしっかり守っていくか、勝負に徹して「勝ち」にいくか…これはお互いの実力差があまりないときには、レースをやってみないとわからないでしょうね。
で、今回の高橋選手の走りは、結果的に3つ全部勝とうとしてしまった。最初は「記録」を狙って飛ばしてしまった、折り返してから「相手」と勝負してスパートをかけた、もちろんこのレースに勝ってアテネ五輪行きを決めようと「自分」に勝とうとした…結局、自分の力を見失って、失速してしまったわけです。
42.195kmをベストに走ろうとすると、ロスがあってはいけないわけです。ロスがあると、後々でツケがくる。もっとも、ロスのことを見越して、ある程度は体力を温存する必要があるわけです。しかし温存しすぎると、力を出し切れなくなるので、走っているときの状況判断が非常に大切なんですね。
このあと、高橋選手がゆっくり休んだあと、どれに対して「勝負」しようとするのか…。それによって、今後の行方が決まるでしょうね。「相手」と勝負する気になるなら、選考会再挑戦すると思いますが…。国内外の「ライバル」の行方、発言にも注目ですよ。(2003.11.17提供)
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